ザ・チーム (日本の一番大きな問題を解く) (2012/10/04) 齋藤ウィリアム浩幸(さいとう・ウィリアム・ひろゆき)、William Hiroyuki Saito 他 商品詳細を見る |
評価:★★★★☆
★4つぐらいかな?
シリコンバレーで若くして成功して、IT業界の第一線から退いて、日系だったので日本に来てみて、いろいろと今の日本の問題点を指摘。
著者曰く、
日本にはチームがない。
まあ、言い得て妙だね。チームとは、横断的でメンバーがお互いに自分の役割を果たしつつ、お互いの弱点を知っていて、補い合えるようなまとまりのこと。
本書でよく対比させて日本の組織構造の分析例として出しているのが下記の本。
タテ社会の人間関係 (講談社現代新書 105) (1967/02/16) 中根 千枝 商品詳細を見る |
この本もあわせて読んだけど、古い本だけど、今でも全く通用する日本の組織論。日本の組織って、タテの系列しかなくて、横断的な横の系列って希薄なんだな、と。
1.「ピザ二つ」を食べられる任ず、つまり6人から8人がチームとして最適な規模。
2.チームの条件は、お互いの弱みを知っているということ。(強みではなく・・)
3.各人がオーナーシップをもっていること。
このあたりがあるかないかで、「チーム」なのか、単なる「グループ」なのかが分かる。
ただ、難しいんだよな。チームをつくるって、特に3が難しい。仕事で短期のチームらしきものを作る機会が多いけど、3の意識を持たせるのが、ものすごく難しい。参加するという意識が圧倒的に欠けてしまう場合が多い。「誰かやってくれるでしょ?」みたいな。どれだけ人選を厳しくしても、どうしても3をもてない人が必ずいる。
チームねー。僕が働いている組織で実現しようと思っても、論外なんだけど、自分がやっている仕事を大きくしたいと思うなら、ちきりんさんが言うように、研究者、勝負師、芸術家の3要素が必要で、僕一人で全部できないんで、仲間を作って、チームをつくる必要があるのかな、と思うようになってきた。
研究者・勝負師・芸術家 - Chikirinの日記 for DU
どうしても、僕はロジックで仕事してて、誰からも受け入れられないということが多いけど、Art的な人と組めば、結構うまくいったりする。Art系はわりかし見つけやすいけど、勝負師って、一体どんな人なんだろう。あんまり回りにいないかもなー。
どっかにドラクエにでてくるルイーダの酒場みたいなところがあればなー。「職業、勝負師いますか?」って聞けば・・。
まあ、本書は前半、著者の自分史みたいな感じで、少しうっとおしいなーとは思うけど、それなりに面白いし、なにより、自分一人で何故かうまく仕事がいかなかった原因が、チームにあるということに気付かされ、かつ、ルイーダの酒場みたいなところがあれば、猛烈にいきたくなった良い本だと思う。
うーん、勝負師って、どこにいるんだろ?
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